App StoreとGoogle Playのリストをローカライズする方法
ストアのリストをローカライズする作業は、アプリ本体をローカライズする作業とは別物です。アプリ自体は英語のままでも、リストだけを十数か国語で公開できます。AppleもApp Store Connectのメタデータはアプリ本体とは別物だと明言しており、ローカライズしたエントリを追加しても、ビルドには何の変更もありません。Google Playも同じ仕組みで、ストアのテキストと画像はPlay Consoleにアップロードする独立したものです。
つまりローカライズが大変に感じる理由は、ストア側が邪魔しているからではありません。言語ごとの手作業によるデータ入力の量が多いこと、そして10言語目に手をつけて初めて気づく2つの落とし穴が原因です。ここでは各ストアの手順を順に説明し、その後で落とし穴を紹介します。
「リストのローカライズ」が実際に指すもの
両ストアでローカライズ対象となるリストのフィールドは、おおむねアプリ名・タイトル、サブタイトル(Apple)または簡単な説明(Google)、詳細な説明文、キーワードフィールド(Appleのみ。Googleは説明文全体をインデックスします)、そしてスクリーンショットです。これらはいずれも新しいビルドの提出を必要としません。アプリのUIがまだ英語のままの市場でも、翻訳済みのリストを公開できます。
App Storeでのローカライズ(App Store Connect)
- アプリを編集可能な状態にする。Appleのヘルプには「言語の管理はアプリのステータスが編集可能な場合のみ行える」とはっきり書かれています。バージョンが審査中またはリリース保留中の場合、編集可能な状態に戻るまでローカライズの追加や変更はできません。
- 言語メニューを開く。アプリのページ(または共有フィールド用のApp情報ページ)で右上の主要言語名をクリックし、「未ローカライズ」までスクロールして、追加したい言語の横の+をクリックします。
- コピーされなかったフィールドを入力する。ここが落とし穴です。言語を追加すると、Appleは主要言語からスクリーンショットとほとんどのプロパティをコピーしますが、「説明文とキーワードは除く」とされています。この2つは空欄のまま届きます。何の警告もないので、ロケールがほぼ埋まっているように見えて、実は説明文だけ静かに主要言語のままになっているリストを保存してしまいがちです。
- App情報は別途対応する。アプリ名、サブタイトル、プライバシーポリシーURLはバージョンページではなく、App情報(共有メタデータ)に属しています。ここにも言語を追加し、ロケールごとに値を入力してください。
- スクリーンショットをローカライズする。スクリーンショットは主要言語から継承されるため、置き換えない限り新しいロケールでも英語のスクリーンショットがそのまま公開されます。キャプションが画像に焼き込まれている場合は、ロケールごとに翻訳済みのセットをアップロードする必要があります。
- 保存してから審査に提出する。新しい言語のメタデータは保存しただけでは公開されません。App Reviewが新しい言語を承認する必要があり、ローカライズされたメタデータを含むバージョンを審査に提出することになります。即時反映ではなく、この待ち時間を見込んでおきましょう。
Google Playでのローカライズ(Play Console)
- 翻訳ツールを開く。Play Consoleで「グロース」→「ストアでの露出」→「メインのストアの掲載情報」(該当するストアの掲載情報)と進み、そこから「翻訳を管理」を開きます。ここでリストの全言語を一箇所で管理できます(メニュー名はConsoleのバージョンにより多少異なる場合があります)。
- 言語を追加する。「翻訳を管理」で「言語を選択」を選び、必要な言語にチェックを入れ、「適用」、続いて「保存」をクリックします。入力できる行として表示されるようになります。
- テキストを用意する(3つの選択肢)。自分で翻訳したテキストを貼り付ける、Googleの無料の機械翻訳で下訳を作る、あるいは同じメニューから有料の人力翻訳をGoogleのサードパーティ業者に発注する、のいずれかです。Googleの目安では1単語あたり約0.07米ドルで、約1週間程度で翻訳が戻り、ストアの掲載情報(タイトル、簡単な説明、詳細な説明)とアプリ内商品をカバーします。
- 言語ごとに適用し、保存する。翻訳が戻ってきたら各言語の行を開き、タイトル・簡単な説明・詳細な説明・スクリーンショットを確認して保存します。Googleもストアの掲載情報の変更を公開前に審査するため、こちらも即時反映ではありません。
Google Playはリストで何言語をサポートしているのか。Googleは一つの明確な数字を公表しておらず、バリアントの数え方によって、よく引用される数字はおよそ77から88のストア掲載言語・方言に及びます。そのため、目にする数字は目安として扱ってください。実用上のポイントは、対象にする価値のあるすべての市場を十分にカバーできる数十言語がある、ということです。
誰も教えてくれない落とし穴
- Appleの継承トラップ。スクリーンショットとほとんどのフィールドは主要言語からコピーされますが、説明文とキーワードはコピーされません。作業の半分は、一見埋まっているページの裏でどのロケールの説明文が空欄のままかを覚えておくことです。
- スクリーンショットも継承される点は、逆方向にも作用します。新しいロケールには自動的に主要言語のスクリーンショットが適用されます。画像をまだローカライズしていない段階では便利ですが、差し替えを忘れると日本のストアに英語のキャプションを公開してしまうことになります。
- キーワードフィールドはロケールごとで、大事に扱う価値がある。Appleは言語ごとに100文字のキーワードフィールドを用意しており、ユーザーには見えません。これを単語単位で機械翻訳するのはこの枠の無駄遣いです。各市場で実際に検索される言葉は、直訳とはほとんど一致しないためです。Googleには独立したキーワードフィールドがなく、説明文全体をインデックスするため、キーワードの意図はロケールごとの本文の中に組み込む必要があります。
- 編集可能な状態のタイミング。Appleではアプリのステータスが編集可能な間しかローカライズに触れられません。審査用にバージョンをロックする前にローカライズ作業をまとめて済ませておくと、「なぜこのフィールドがグレーアウトしているのか」という手間を1回分省けます。
- 審査は新しい言語ごとに適用される。両ストアとも新しい言語のメタデータを審査します。40個の翻訳を貼り付けて次の瞬間すべてが公開される、という道はありません。コピーの工程は自分の手で行えても、公開のタイミングはストア側のスケジュール次第です。
- 文字数制限は言語ごとに異なり、翻訳すると長くなる。ドイツ語やフィンランド語は英語より30〜40%長くなるのが常で、英語では収まっていたサブタイトルも翻訳するとAppleの30文字制限を超えてしまうことがあります。制限はフィールドごと、ロケールごとに、一度だけでなく都度確認しましょう。
Mokbiが役立つ場面
ストア側が担うのは配管のような部分、つまり言語の追加、テキストの保管、審査です。ストアがやってくれないのは、ロケールごとのメタデータを書くことで、そこが50言語を1週間分のコピー&ペースト作業に変えてしまう部分です。Mokbiはタイトル・サブタイトル・キーワード・説明文といった各ロケールのリストフィールドを、一度の処理で50言語分生成・翻訳します。App Store Connectの言語を手作業で1つずつ埋めたり、Play Consoleに行を1行ずつ貼り付けたりする必要はありません。キーワードフィールドはキーワードとして扱われ、単なる直訳を通されることはないので、100文字の枠を無駄にしません。
境界線については正直に伝えます。これで各ストアにそのまま投入できる、完全でローカライズ済みのフィールド一式は手に入ります。ただし審査を回避するものではありません。新しい言語のメタデータはそれぞれAppleのApp ReviewとGoogleのリストチェックを通過する必要があります。どんなツールもここを自動で突破することはできず、そう主張するものがあれば、ストアの仕組みを軽視しているだけです。節約できるのは手作業での執筆とロケールごとのコピー作業、つまり実際に日数を食っている部分です。
同じプロジェクト内でスクリーンショットもローカライズできます。カルーセルを一度作り、キャプションを50言語すべてに翻訳し、ロケールごとにセットを書き出せば、翻訳済みのリストの下に英語の画像を並べてしまうことはなくなります。